「LTS」は製品によって意味が違う

LTS は「長期サポート」という意味ですが、何年なのか、 お金がかかるのかは製品ごとに違います。 Debian・Ubuntu・MariaDB・Node.js・.NET を並べて、 同じ4文字が何を指しているのかを整理しています。

最終確認(人手) 2026年9月8日 データ更新 2026年9月8日 表示基準日 2026年9月15日 情報が違うようです

同じ「LTS」でも、指しているものが違う

LTS は Long Term Support の略で、日本語では「長期サポート」と訳されます。

意味はそのとおりなのですが、何年なのか、お金がかかるのかは、製品ごとに違います。 1つの製品だけを見ていると気づきませんが、並べると違いがはっきりします。

製品 「LTS」が指すもの 長さの目安 費用
Debian 通常サポートのあとを LTS チームが引き継ぐ段階 合計およそ5年 無償
Ubuntu LTS リリースの標準セキュリティメンテナンス 5年 無償
MariaDB 年1回出る長期リリース 3年(10.6 / 10.11 / 11.4 は5年) 無償
Node.js 偶数系だけが昇格する段階 約3年 無償
.NET 偶数系のリリース 3年 無償

短いほうから3年、長いほうで5年。 同じ4文字でも2倍近い開きがあります。

いちばん間違えやすいのは「無償か、契約が要るか」

期間の違いよりも影響が大きいのが、ここです。

Debian の LTS は無償です。契約は必要ありません。 公式は「すべての Debian stable リリースの寿命を(少なくとも)5年に延ばすプロジェクト」と 説明していて、通常のセキュリティチームとは別のチームが引き継ぐ形になっています。

一方、Ubuntu で「5年より先」を求める場合は話が変わります。

Ubuntu 24.04 LTS の段階 いつまで 条件
標準セキュリティメンテナンス 2029年5月 無償
ESM(拡張セキュリティメンテナンス) 2034年5月 Ubuntu Pro の契約が必要
Legacy アドオン 2039年5月 さらに追加の契約が必要

つまり Ubuntu の LTS は、見方によって5年にも15年にもなります。

「Ubuntu 20.04 は2030年まで大丈夫」という記述を見かけることがありますが、 それは Ubuntu Pro を契約している場合の話です。 契約していなければ、2025年5月で標準サポートは終わっています。

本サイトが「結局いつまで使えるか」を出すときに、 Debian の LTS は含め、Ubuntu Pro の期間は含めていないのは、この違いによります。 契約していない人に、契約者向けの期限を見せないためです。

LTS の中が、さらに段階に分かれている製品がある

Node.js の LTS は、ひとつの状態ではありません。

段階 何が起きるか
Current 最新。破壊的でない変更が入る
Active LTS 新機能の取り込みが続く。安定して使える
Maintenance LTS 重大な修正のみ。次の移行先を決める時期
End-of-Life 更新が止まる

「LTS だからまだ大丈夫」と思っていたバージョンが、 実際には Maintenance に入っていた、ということが起こります。

もうひとつ、奇数系(21、23…)は LTS に昇格しません。 公式のリリース計画に、昇格しないと明記されています。 奇数のバージョンを長く使う前提で選ぶことはできません。

「LTS を選べば長い」は成り立たない

製品をまたぐと、順序が入れ替わります。

  • .NET の LTS は3年です。5年でも10年でもありません。
  • Ubuntu の標準サポートは5年で、こちらは LTS の契約なしで届きます。

つまり .NET の「LTS」より、Ubuntu の「無償の標準サポート」のほうが長いということです。

LTS という表記は、その製品の中での相対的な位置を表しているだけで、 製品をまたいだ長さの保証ではありません。

どう判断すればよいか

3つを順に確認すれば足ります。

  1. その製品の LTS は何年か。 3年なのか5年なのかで、更新計画が変わります
  2. 契約が要る期間が混ざっていないか。 「◯◯年まで」という記述が、 無償の範囲なのか契約者向けなのかを分けて読みます
  3. LTS の中で段階が進んでいないか。 Node.js のように、 LTS のまま Maintenance に入っている場合があります

本サイトの各バージョンのページでは、契約が必要な期間は「結局いつまで使えるか」に含めていません。 契約している場合は、その分を足して読んでください。

サポートが終わっても、すぐ止まるわけではない

念のため書いておきます。

LTS が終わった日に、その製品が動かなくなるわけではありません。 止まるのは公式からの修正の提供です。

動き続けるからこそ、いつ修正が止まったのかを自分で把握しておく必要がある、 というのがこのサイトを作っている理由です。

情報の出典

Debian Long Term Support Debian Project(www.debian.org)
Ubuntu release cycle Canonical(ubuntu.com)
.NET and .NET Core official support policy Microsoft(dotnet.microsoft.com)

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