「サポート終了」は、1つの意味ではない
EOL は End of Life の略ですが、その日に何が止まるのかは製品ごとに違います。 バグ修正だけ止まる段階、有償なら続く段階、エディションで日付が違うものがあります。 PHP・Python・Node.js・.NET・MySQL・Ubuntu・Debian・Windows を並べて整理しています。
EOL の日に、全部が止まるわけではない
EOL は End of Life の略で、日本語では「サポート終了」と訳されます。
ただし、その日に何が止まるのかは製品ごとに違います。 バグの修正だけが止まって、セキュリティの修正はその先も続く製品があります。 無償の提供が終わるだけで、有償なら続く製品もあります。
「サポート終了」という4文字を、同じ意味だと思って読むと判断を誤ります。
製品ごとの、段階の呼び名
本サイトが扱っている製品を並べると、こうなります。
| 製品 | 段階の呼び名 |
|---|---|
| PHP | Active support → Security fixes only → End of life |
| Python | bugfix → security → end-of-life |
| Node.js | Current → Active LTS → Maintenance LTS → End-of-Life |
| .NET | Active → Maintenance → End of support |
| MySQL | Premier → Extended(有償) |
| MariaDB | コミュニティ版 → Enterprise 版(有償) |
| Ubuntu | 標準セキュリティ更新 → ESM(Ubuntu Pro が必要) |
| Debian | 通常のセキュリティサポート → LTS → ELTS(外部・有償) |
| Windows | 月例更新の提供(エディションごとに別の日付) |
同じ「終了」でも、どの矢印の話をしているのかが製品ごとに違います。
型1:バグ修正は止まるが、セキュリティ修正は続く
いちばん多い型です。
PHP は公式に、Active support を「報告されたバグとセキュリティの問題が修正され、 定期的なポイントリリースが行われる」状態、 Security fixes only を「重大なセキュリティ問題についてのみサポートされ、 リリースは必要に応じて行われる」状態と説明しています。
PHP の各ブランチは、2年の Active support のあと、 さらに2年、重大なセキュリティ問題についてだけサポートされます。
Python も同じ形で、bugfix のあとに security の期間があります。
Python 3.10 を例にすると、こうなります。
| 段階 | いつまで |
|---|---|
| bugfix(不具合の修正) | 2023年10月4日 |
| security(セキュリティ修正のみ) | 2026年10月31日 |
3年の開きがあります。 「Python 3.10 は2023年に終わった」という説明も、 「2026年まで使える」という説明も、どちらも間違いではありません。 どの段階の話をしているかが違うだけです。
本サイトは「結局いつまで使えるか」を出すため、後ろのほう(security の終わり)を採っています。
型2:無償が終わるだけで、有償なら続く
ここは費用の話が絡むので、いちばん誤解が起きやすいところです。
| 製品 | 無償で届く範囲 | その先 |
|---|---|---|
| MySQL 8.4 LTS | Premier サポート(2029年4月30日) | Extended サポート(2032年4月30日)は有償 |
| MariaDB | コミュニティ版 | Enterprise 版は契約が必要 |
| Ubuntu 24.04 LTS | 標準セキュリティ更新(2029年5月) | ESM(2034年5月)は Ubuntu Pro の契約が必要 |
| Debian | 通常サポート → LTS まで無償 | ELTS は外部企業が有償で提供 |
Debian だけ、LTS が無償の側に入っています。 ここが Ubuntu と正反対で、「LTS」は製品によって意味が違う に詳しく書いています。
本サイトでは、契約が必要な期間を「結局いつまで使えるか」に含めていません。 契約していない人に、契約者向けの期限を見せないためです。
型3:同じバージョンでも、エディションで日付が違う
Windows がこれです。
| Windows 11 バージョン 24H2 | いつまで |
|---|---|
| Home / Pro | 2026年10月13日 |
| Enterprise / Education | 2027年10月12日 |
同じ 24H2 で、ちょうど1年違います。
「Windows 11 24H2 のサポート期限」を1つの日付だと思って調べると、 自分のエディションではない日付を見ることになります。
なお、Microsoft のライフサイクル表に載っている日付は「切れる瞬間」で、 最終サポート日はその前日にあたります。本サイトはその前日を表示しています。
調べるときに確認すること
「◯◯のサポートは△△年まで」という記述を見たら、3つを確認してください。
- どの段階の話か。 バグ修正の終わりか、セキュリティ修正の終わりか
- 無償の範囲か。 契約者向けの期間が混ざっていないか
- 自分のエディション・版か。 Home と Enterprise、コミュニティ版と Enterprise 版
本サイトの各ページでは、この3つを分けて表示しています。 出典も並べているので、元のページで確かめられます。
終了しても、その日に止まるわけではない
最後に、念のため書いておきます。
サポートが終わった日に、そのソフトウェアが動かなくなるわけではありません。 止まるのは公式からの修正の提供です。
動き続けるからこそ、いつ修正が止まったのかを自分で把握しておく必要がある、 というのがこのサイトを作っている理由です。